ウェブハンドリング技術コンサルティングウェブハンドリング

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トラブル改善につながる技術情報を紹介します。

将来に向けた技術競争力の維持・向上、およびその価値

日本のウェブハンドリングのレベルは高い。しかしながら技術レベルを維持しつつさらに向上させる上での課題が顕在化してきている。課題解決のキーワードは「理論的なエッセンス」であり、その価値とあわせて紹介する。

日本の技術レベルが高い理由のひとつがベテラン技術者の存在である。時間をかけて磨き上げられてきた極めて高い経験的技術が備わっている。生産現場で試行錯誤できる、というよりもそうせざるを得なかった環境で安定生産を達成してきた経験の賜物であろう。

その一方で現在は技術者や製造スタッフといった人材よりも、高度化した生産機などの装置の方が安定生産に寄与する割合が高まってきた。これは良い面もあるが、競争力の源泉である人材の技術レベルが徐々に低下していく悪い面もある。ベテラン技術者から技術継承される試行錯誤のチャンスが少ないこと、これに輪をかけてベテラン技術者が引退していくことにある。

若手・中堅技術者がベテラン技術者のレベルまで到達するには、試行錯誤の経験の差を埋めなければならない。このキーワードが「理論的なエッセンス」である。安定生産とトラブルの本質がわかるようになる。

ここで「理論」という言葉がでてくると、数式や数値計算を連想して始めから難しいと思うかもしれない。大切なことはその厳密さではなく、理論の概念をイメージとして理解することにある。

 

技術力に対する将来ビジョン

図は技術強化を怠った場合と真剣に取り組んだ場合での競争力の将来ビジョンを示している。前者は赤線のように世代交代などによって技術力が徐々に下がっていき、後者は青線のようにステップを経て競争力が上昇していくイメージである。

競争力の上昇は①組織的な技術強化や技術者リーダーの育成をスタートとしている。その次に②試作の効率化によるコスト削減があり、③クレーム低減による顧客信頼度の向上が見込まれる。一旦クレームが発生すると、その対応への人件費や再発防止に向けた試作テストなどの追加コストが生じる。

②や③で成功体験が得られると④他ラインへの展開を経て、⑤他工場への拡張によって利益率がさらにアップする。最終的には⑥トラブルが発生しない良品のみの生産、安定生産が難しい製品を他社に先駆けて上市できるレベルに達するだろう。

現時点で技術強化や人材育成に取り組むか否かによって競争力にギャップが生じる。これが取り組んだときの将来価値である。この判断が早いほど競争優位性として確固たる地位を築けるだろう。

 

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